RACING FRAME ON


■ Extreme Trial Motocross DEMO  ★★★★★

 このゲームはThe Dawn Interactiveによる、125cc、250cc、500ccの3つのクラスのバイクによるモトクロスレースゲーム。GlideとDirect3D、FFBに対応。

 DEMOで遊べるコースはオーストラリアの1コースでクラスは125cc、250cc、500ccの3つ。レースモードはクイックレース、チャンピョンシップ、シングルレースの全てを選択出来る。
またDEMOながら天候も晴れ、曇りや雨も選択でき、さらに驚くべき事にライダー(バイク)まで全10種類を選択できるという太っ腹なDEMOである。

 もっともバイクのメーカーに関しては、HONDやHawasaky、YAMAKA、KTNなど、世界中の有名メーカーをもじっているのが少し残念だ。
しかしバイクは、機種によってアクセルやブレーキ、グリップ特性等がしっかり異なっている。

 グラフィックス面ではテクスチャーがとてもきめ細かくリアルで、更にそれでいて動作が滑らかなため好感が持てる。
さらに空気遠近法まで取り入れられており、リプレイ時に更にリアル感を増すこととなる。

 コースレイアウト自体もなかなか自然で、 Motocross Madnessほど奇をてらったものでも無いし、MotoRacerシリーズの様に単調といった感じでも無く、なかなか良く考えられたものだと言える。

 しかし描画する距離が比較的短く、コース外のオブジェクトが無いに等しいのは寂しい感じがする。
もっともこれはフレームレートと引き替えにもなるので、この程度の妥協は必要かもしれないが。

 もっともバイクやライダーの造り込みは結構荒く、下で紹介しているGrand Prix 500ccmと同程度と言った感じだ。

 サウンドに関しては、エンジンサウンドのサンプリングレートも低く物足りない感じで、まるでハエが飛んでいるときの羽音の様だし、周囲にバイクが居る居ないに関わらず他のバイクの音が常に聞こえ続けるのも興ざめだった。

 他にも色々特徴が有るので挙げてみよう。

 まず良い点としては、DEMOながらかなりの項目に渡ってのマシンセッティングが可能である事、TV視点、追尾視点複数に加え、元祖MotoRacerで個人的に気に入っていたライダー視点が備わっている事。

 完走しなくてもリプレイが見られることや、転倒した時にクラクラしているためかライダーが首を振っている視点に切り替わる事(笑)。

 今一上手く使い切れないが、とにかくクラッチが備わっていること(笑)。また急坂を登るときに過剰なパワーが後輪に加わるため後輪が振られる現象等、物理的に良くシミュレートされている事。

 難易度設定がAIライダーの速度差では無く、125、250、500各クラスのパワー差により難易度が表現されている事。
これはつまりパワーの有るバイク程、扱うのに腕が必要な事を意味しているのである。

 そのためにかつて無いほど、このソフトではバイクを扱うのが難しくなっている。

 欠点に関しては、Motocross Madness同様、コーナーリング時にライダーの足が出ない事が挙げられるだろう。
 地面に車体が付くほど、かなり車体を傾けている状態でもそのままコーナーリングしてしまうその姿は、思いっきり興ざめしてしまうのに十分だ・・・

 また、ライダーがあまりにもへっぴり腰に見えてしまうのもマイナス・・・

 しかしそれ以外(あとサウンドも)、大した欠点が無いのがこのソフトの特徴と言え、個人的にはMotocross Madnessよりも評価を高く付けても良いソフトだと思っている。


  




  




  



■ TOCA 2: Touring Cars DEMO  ★★★★☆

Codemastersによる、ツーリングカーレースシミュレーション、Direct3D対応。

 遂にTTCCの次作DEMOが公開された。
今回走れるコースはCroft一コースで、選べる車種は前作のDEMOでもお馴染みのHONDA ACCORD(FF)とFormula Ford(RR)である。

 DEMOでは5分間の走行制限と3ラップの走行制限が掛かっており、何れかを達するとメニュー画面に戻されてしまう。
前作のDEMOでは時間制限が無かったために思う存分練習走行を行えたものだが、今回はろくに練習する時間が無くストレスがたまる。
天候も固定なのが残念だ。

 さて前作からの変更点だが、まずグラフィックス面での強化が目に付く。
テクスチャーが以前より鮮やかになったし、前作で非常に気になったオブジェクトのエッジ部分の処理が、今回はアンチエイリアスやフィルタリングのお陰で綺麗に処理されるようになった。
そのために640*480でもそれほど荒い印象は受けなくなった。

 さらに512x256というPS互換の解像度から、最大では1280x1024もの解像度に対応出来るようになった。
マシンに余力が有れば、是非とも高解像度でプレイする事をお勧めする。
他にもグラフィックスに関しては非常に豊富な設定が行え、前作とはまるで別物のソフトの様だ。

 サウンド面でも進歩しているのが解る。
まずエンジンサウンドがかなりエキサイトなものに変化した。
如何にもレーシングカーと言ったサウンドは、プレーヤーをゲームに熱中させるのに一役買うだろう。

 視点数も前作よりアップしている。
前作のボンネット視点、ドライバーズ視点、追尾視点x2、後方視点に加え、全画面視点、車載カメラ(車内タイプ)視点、左、右視点が追加されており、逆に必要な視点を選択するのに戸惑う位だ。
ちょっとこれは多すぎる気がするが・・・
もっともインパネがまともになったり、前作で無かったルームミラーが追加されたのは評価出来る(実用的かどうかは疑問(笑))。

 車自体のグラフィックスも進歩した。
窓が透明になり、車内の様子が見えるようになったのだ。
そのためドライバーがきちんと運転している様まで見ることが出来るようになった。

 さらに車内からの視点(ドライバーズ&車載カメラ視点)でクラッシュした場合、フロントガラスにヒビが入ったり終いにはガラスが無くなってしまったりするという懲りようだ。
もっとも今回から追加されたサンシールドは、若干邪魔なような気がする。

 さらにリプレイが追加されたのも大きな進歩だ。
DEMOでも、5分以内に3ラップ走りきった場合にリプレイが保存される仕組みになっている。
製品版ではどのようになるのか解らないが、是非ともMotorHeadの様にリプレイデータを自由に保存再生出来るようにして貰いたいものである。

 またピットインが加わったのも特筆すべき事だろう。
NASCAR Revolutionの様な感じに実際にピットクルーが作業しているのを見ることは残念ながら出来ないが、リアルなサウンドでピット内の雰囲気を盛り上げているのは好感がもてる。

 さて、実際の走行感はどうだろうか?
前作ではリアルな走行感にDEMOだけで百回以上は走った思い出が有るのだが・・・

(ここから先は前知識無しの個人的な意見です。後述の囲みの記事を併せてお読み下さい)

 まずオートマを選択してレース開始、最初に映し出される上空からの映像が格好良い。

 次いでシグナルグリーンでアクセルを踏み加速。
ここで前作と異なり、随分アコードの加速が良いことに気が付いた。
前作ではスタート後かなりの距離引き離されてしまったものだが、今回はそんな事が無かった。
もっともこれはコースレイアウト的に、スタート後のストレートが比較的短い事が原因なのかもしれないが(つまりAIカーがフル加速しない)。

 さて最初のコーナーに差し掛かる。
ここはスタート直後(しかも各車ばらける間がない)のため非常に渋滞し、タイミングに依っては数台を巻き込むクラッシュが起こることも有る。
またこのコーナでは上記の状態に陥るため、必然的にスピードダウン。スピンする事はまずない(一周目のみ)。

 しかしこのゲームの癖が解るのはこの次のコーナーからだ。

 とにかく限界が低い!
全く信じられないような状態からスピンし始める。
はっきり言ってちょっと車体が振れただけでスピンしてしまう有様だ。

 てっきり前作で懲りたユーザーから苦情要望が殺到し、Codemastersも少しは反省したのではと思っていたが、どうやら期待は裏切られたようだ。
これはハンドルのセッティングを工夫することで若干は和らげることもできるが、根本的な解決にはなりはしない。
逆にデジタルのキーボードの方が滑りにくいという、おかしな状態になってしまった。

 もっとも改悪されたばかりでなく、逆に前作より滑り出した後のリカバリーはやり易いというバランスの悪い状態になっているようだ。


 ・・・と、ここまでは私の個人的な感想です(一応実レース素人意見として聴いておいて下さい)。
実際に普通車を運転している人なら誰でも感じる感想ですね。

 ところが実際にスリックタイヤでサーキットを走る方々からこれとは違う感想を頂きましたので、皆さんの参考になればと思い掲載させて頂きます(BOZUさん、アドバイス感謝です)。


 まず、前作と比べて、格段に実車の動きに近くなった。
特に、スリックタイヤ特有の、テールがスライドした時に突然グリップを失う感じがよく出ているし、グリップ感や、加速感も実車に限りなく近くなった。

 車としては、CIVICやインテRのレース車にたとえるとFF車で、レース車のように、スポット補強やロールバーで剛性をあげて、なおかつ、LSDのイニシャルトルクが高く、サスがフロント26キロリア24キロぐらいで、スタビが固くちゃんとした鈴鹿用セッティングにした車の動きに非常によく似ている。

 ゲームとしては、普通の人がプレイした場合、あまりに動きが普通の車とかけ離れすぎて、違和感を感じると思います。

 さすがに、BTCCの車は運転したことがありませんがTOCA2の動きは、実車に近いという観点からはすばらしいと思います。

 普通に、ハンドルで曲がるようなセットではタイムが出ません。従って、レースで勝てません。

 本気でレースを勝つために車を作るとTOCA2のような、普通の人にはピーキーな車になると思います。

 TOCA2でも、まだ、マイルドなほうです。
限界が低いという表現は、かなり誤解を招くと思います。

 ちなみに、コントローラの設定は遊びを0に設定しています。
これでも、まだ、遊びを無くしたいですね。


 なるほど、TOCA2は実際のレーサーも納得できるほど、実車を良くシミュレートしていたのですね。
あの難しさは改悪では無く、より実車に近づけるための改善だったとは。
Codemastersに対する見方が変わりますよ。

 うーん、そういえば以前走り屋の友人がTOCA1を私の家でプレイしたのですが、その時に私がスピンし易いと文句を言ったときに、スリックタイヤだとこんなものだと言われたのを思い出しました(汗)。

 てことは、TOCA2は実際のサーキット走行を学ぶ様な気構えでプレイした方が良さそうですね。
参考になりました!


 さて今回はAVBのFFBハンドルでプレイしたのだが、やはりというか同社のCMRと全く同じ症状で、まったくゲームにならなかった(ひたすら最強震度で震え続ける)。
前作ではまともにFFBが働いていたのに、なぜ新しいCodemastersのゲームはI-FORCEでトラブルを起こすのだろうか?(MSFFBシステムでは問題が無い。DEMOではFFBをカットして走行した)

 もっとも今回のDEMOはどうやら完成版では無いようなので、これからの改善に期待したいと思う。


  



  



  



  



■ Grand Prix 500ccm DEMO  ★★★★☆

 このゲームはAscaronによる、125cc、250cc、500ccの3つのクラスの、 バイクによるワールドチャンピョンシップを題材にしたゲームで、GlideとDirect3Dに対応。
なんと1600x1200の解像度まで選択できる(動作するかどうかは別として)。

 DEMOで遊べるコースはBrnoの1コース(製品版では世界各国15コース+ボーナス3コースの全18コース)のみでクラスは250ccとなる。またDEMOの場合天候は晴れのみだが、製品版では曇りや雨も加わるようだ。

 DEMOながらサウンドのサンプリングレートを選べるのは良いのだが、何れのレートを選んでもどうもエンジン音のサンプリングレートが低く感じられる。
もともとこの様なサウンドしか収録されていないのかDEMOの制限なのか解らないが、このサウンドはちょっと貧弱な感じだ。エンジン音がレースの雰囲気を高めるのに重要なのにこれは少し残念である。

 グラフィックス面では遠距離までしっかりと描画でき(設定可能)、なかなか書き込まれた風景の割に動作が非常に軽快なのは特筆すべきポイントだろう。

 しかしバイクやライダーの造り込みは結構荒く、Superbike World Championship(以下SWC)やCastrol Honda SuperBike Racing(以下CHSR)と比較すると見劣りしてしまう。
だがこのお陰で25台も出走していても軽いのだろうし、一人称視点で走り出してしまえばそれほど気にはならないだろう。

 それより何より、このゲームの一番の良い点は楽に走れるという事に尽きるだろう。
このGrand Prix 500ccmは、RLRMRシリーズの様なアクション系より、SWCやCHSRのようなシミュレーション系に属するのだが、妙に難しくなる事無く走ることができる。
もっともこれは各種サポート機能(ギア、クラッチ、ブレーキ、ステアリング他)を有効にする事によってさらに顕著になる。

 他にもコーナーリング時の車体のぶれや、加速/減速に現れる車体挙動が表現されていたり、ぶつかった時相手のライダーが怒りのゼスチャーをするなど、このゲームに見るべきポイントは多い。
オートDEMOが備わっているのも、DEMOとして優秀なポイントだ。

 また視点がライダー、追尾x2、TVの4視点備わっている他に、ライダー視点以外にはズーム機能が備わっているのも珍しい。
もっともカメラがバイクから離れすぎているため、TV視点があまり格好良く無いのは残念だ。

 このゲームはアーケード系バイクゲームには飽きたが、シミュレーション系バイクゲームには取っつきにくいと考えている方々に最適であると言えるだろう。


  




  




  



■ Powerslide DEMO  ★★★★★

 RatbagによるGlide/Drect3D対応、カーレースゲーム。

 このPowerslideはベンダー“Ratbag”の初のゲームで、DEMO版は既にDethkarz DEMOと同時期にリリースされていたのだが、ナゼか私の環境ではなかなか動作せず悲しい思いをしたものだった(笑)。

 今回新バージョンDEMOのリリースにより、ほぼ100%の確率で動作するようになったため、遅ればせながらレビューする事にする。

 さてこのゲーム、Dethkarz等と同様に架空の世界/車を題材としたレースものであり、約7MBというコンパクトサイズながら、DEMOではステージとして廃ダムを走行可能、また車両はサンドバギータイプと正面から見るとコガネ虫の様な形状をしたタイプの2種類を選択できる。
またそれぞれの車種でさらに3種類のカラーリングを選択可能なのだが、海外の近未来ものにありがちな非常にダサイカラーしかなく、車体に思い入れする事は不可能になっている(笑)。

 ところでDEMOでは省かれることの多いOPTION選択画面だが、このDEMOでは省かれること無く全ての項目を設定可能になっている。

 このOPTIONを見てみると、コントロールにサイドブレーキやハーフステアリングの項目があったり、またサウンドはEAX、A3D、DirectSound3D、さらにForce FeedBackに対応している事も解る。
グラフィックス面ではGlide対応の3Dカードの場合強制的にGlideのみになるようで、Direct3Dは選択出来ないようだ。
ちなみにバックミラーも備わっている。

 さてOPTIONで各種設定を行った後ゲームを開始したのだが、まずそのグラフィックスの美しさに目を奪われた。
美しいと言ってもDethkarzの様なきらびやかな美しさではなく、Unreal系グラフィックスエンジンの様な、非常にきめの細かいテクスチャーなのである。
しかもそれでいて、Pentium200MMX程度でも非常に滑らかな描画を行えるのが素晴らしい。

 この素晴らしいグラフィックスは“the Difference Engine"によるもので、この様な細かいポリゴン+繊細なテクスチャーを非常に速く描画出来るのが特徴になっている。
またAGPや3DNow!等の最新のテクノロジーにも対応している。

 さて肝心の走行感だが、流石にタイトルがPowerslideだけあって豪快なドリフトが楽しいアーケードスタイルのレースゲームとなっている。

 しかしPowerslideだけに本当にパワーが有りすぎて、ハンドルでプレイするとスピードが乗らない内は直進することすらままならなかった。
もっともハンドルをどれくらい切っているかを示すインジケーターが出るのは、なかなか親切な設計だと思った(役に立つかどうかは別として)。

 結局キーボード(もしくはPAD)で走った方がコントロールし易く、走っていて楽しく思えた。
この辺り、コンシュマーへの移植も考慮に入れての事なのかもしれない。

 コースレイアウトもジャンプスポットやドリフトを十分に堪能できる様にコーナーが広く取られていたり、ダムの壁を使って豪快なコーナーリングが出来たりと、走っていて楽しいレイアウトになっている。

 このゲーム、世界観やカーグラフィックスは別としても、かなり優秀なレースゲームで有ることは間違い無いだろう。