RACING FRAME ON

■ Streets of SimCity DEMO  ☆☆☆☆☆

Maxisリリースの、3Dfx(GLIDE)/D3D対応Winカーレースゲーム。

 このレースゲームはSimCity 2000と連携しており、同梱のSimCity 2000の地形データの他に自分で創り上げたSimCity 2000の地形データを、思うとおりに走り回ることが出来る。
発想としてはアートディンクの“A列車で行こう5”のヘリでの遊覧飛行や、列車視点モードと同じ様なものだ。
また、ただ都市の中を走り回るだけではなく、マルチプレイでのマシンガンやミサイルを装備してのカーバトルも楽しむことが出来る。

 では実際走ってみると、どうだろうか。
まず驚くのが、一見数年前のDOSソフトと勘違いしてしまうような画面だろう。
GLIDEに対応しているのだが、それを感じさせない素晴らしい陳腐さだ(笑)

 解る人は少ないと思うが、これはワイアットでのポリゴン移動画面を彷彿とさせる感覚だ。
道路には様々なアイテムが転がっており、それをゲットする事で武装強化や車体の修理、給油をすることが出来る。
また道路に落ちているゴミ箱や、道を横断している動物も撃つことが出来る(笑)

 道路はまんまSimCityを立体化した感じで、坂道とかまるで積み木を組み立てて作ったかのような感じがする。
はっきり言って、走っていて全く面白くもなんともない。
このソフトに意義が有るとすれば、それは自分の作った都市を車両の視点から眺められるという事だけだろう。

 少しでも普通のレゲーを期待して購入すると、ショックのあまり数日は寝込むほどのダメージを受けるに違いない。









■ Castrol Honda SuperBike Racing DEMO  ★★★☆☆

Intense-Entertainmentリリースの、GLIDE/D3D対応Winバイクレースゲーム。

 Castrol Honda SuperBike Racingは、HONDAの全面バックアップの元に製作されたSuperBikeシミュレーションゲームである。

 ゲーム中で750ccのバイクを200mphでリアルに走らせるべく、Intense-Entertainmentが最新の3Dシミュレーション技術を、そしてHONDAのレーシングチーム、Castrol Hondaがテクニカルアドバイスを担当しこのゲームは製作された。
ゲーム中のデータは、最新の1997年のものを採用している。
またゲーム中のバイクや地形などのデータは、全て実際の調査に基づいてPC上で再現されている。

 Castrol Honda SuperBike Racingは全ての点において妥協を許さない、そして最高にリアルなバイクシミュレーターなのだ。

 −DEMOの感想−

 最初にDEMOをDLした時、ナゼか画面が映らなかった。
てっきりDL中のトラブルによるファイル破損が原因だと思った私は、3度もこのDEMO(計3時間)をDLし直した。
しかしDLサイトを替えてまでDLしても、症状は変わらず。

 それから約2時間は、DEMOがGLIDEかそれともD3Dで動いているか調べるのと、D3D/GLIDEのソフトウエア的設定(win.ini&Autoexec.bat)で費やされた。
D3Dで動いていることが解った後は、およそ10種類のD3Dドライバーを取っ替え引っ替えインストールする事に、3時間程費やした。
それでも動かないため、ついにはWindowsフォルダの該当ドライバを全てブラッシュアップする事にさらに2時間費やした。

 結果10時間ほど貴重な時間を投資し、やっとDEMOをプレイすることが出来た・・・
仕事でもない金にならないことに、何長時間費やしているのでしょう・・・>自分(-_-;

 結局それでも動いたから良いようなものの、これで動かなかったならブチ切れていました(笑)
RRや他のDEMOは普通に動くのに(怒)

と言うわけで、DEMOの第一印象は最悪です。

 早速起動すると、メニュー画面も無しにいきなりレースが始まります。
グラフィックスセットアップも、サウンドセットアップも、コントロールセットアップも無しです。

 Readmeファイルを読んだ後だったので、このDEMOがジョイスティックオンリーで有ることや、Y+がアクセルで有る等の事は解っていたので取り敢えず走ります。
しかしY+がアクセルしかも変更不可というのは最悪です。
ハンドルコントローラじゃ無いんだから、もっとよく考えて欲しいものです。
ジョイスティックを使用した走行感覚は結構リアルです。
 サンドトラップに突っ込んだ時にハンドルが効かなくなる感じも、F1RSの様なこだわりを感じさせますね。
しかしコントロールセットアップが無い事もありますが、ハンドリングがクイック過ぎて今一思った通りに操作出来ません。

 グラフィックスはなかなか綺麗ですが、まずまずのScreamerRallyレベルと言ったところでしょうか。
エフェクト類が今一弱く、残念ながらF1RSやRRレベルには達していません。
しかも背景が一枚絵で、おまけにそのぼかし方がMTM風なのが嫌な感じです(^^;
その代わり建物などのオブジェクトが比較的に賑やかで、サーキット周辺はリアルさを感じます。
エスニカンな建物が結構怪しいですが(笑)

 エンジン音などのサウンドは、かなり良い出来です。
さすがHONDAがバックについているだけ有ります。
他車に追い越されたときの音は、レースのやる気を誘うのに十分です。

 また、外部視点にしたときのマシンの書き込みは凄いですね。
これまでのバイクゲームの中では最高度の造り込みです。
ディスクブレーキからチェーンまで書き込まれており、さらにMotoRacerで見られた様な変なポリゴン欠けも見あたりません。

 しかしそれが原因では無いでしょうが、フレームレートが低く30fpsも出ていない感じです。
もっともGLIDE版は、もう少し高フレームレートを期待できるとは思いますが。

 ちなみに車体と同様ライダーも良く書き込まれており、しかもその動きが至極自然で驚きます。
車体を左右にロールさせた時のライダーの体の動きなどは、思わず見とれてしまうほどリアルです。

 視点に関しては操縦視点がライダー視点と追尾の2視点、外部カメラ視点が数点選択できます。
この操縦視点ですが、ライダー視点はRRには無かった視点でなかなか迫力があり、しかもバンクも程良い感じでなかなかの好感色な出来なのですが、2つ目の追尾視点が全くのダメダメなのです。

 タダでさえ一種類しかない追尾視点なのに、ライダーがバイクを傾けると視点が不自然に左右にスライドします。
はっきり言って、この視点ではゲームをやる気にはなりません。
思わず「この、愚か者めが〜!!」と叫んでしまいそうになるくらい、どうしようもないです。
このゲームの制作者は、実際にこの視点でプレイしたことが有るのでしょうか?

 また外部カメラ視点ですが、はっきり言ってロクな視点が有りません。
サーキットを爆走するバイクの迫力が伝わるようなカメラアングルが、まったくと言って良いほど無いのです。
痒いところに手が届かないという感触は、正にこの事だと感じました(笑)

 トドメにこのソフトは、レゲーに必須のスピード感が乏しいという最強の欠点を抱えています。
リアルなバイクシミュレーションと言う名目がなければ、ManxTTに次ぐクソゲーになり果てているところです。
これを遊ぶときには、シミュレーションをやるという心がけでプレイして、アーケードの壮快さは期待しないようにしなければなりません。

 このDEMOからは、開発元がゲームを造り馴れていないといった感じが、ビシバシ伝わってきます(笑)
もっとユーザーフレンドリに設計しないと、多くのプレーヤーの人気は勝ち取れないでしょう。

 全体的に見ると、Castrol Honda SuperBike Racingはバイク版F1RSといった感じですので、アクションゲームであるMotoRacerやRedline Racerとは目指すものが違うと思います。
ですからこれらのソフトとの、単純比較が出来ないのが難しいところですね。
製品版への更なる改良を望みます。



■ Redline Racer DEMO  ★★★★★

Ubisoftリリースの、D3D&GLIDE対応Winバイクレースゲーム。
以前からむちゃくちゃ綺麗なスクリーンショットがアップされていたので、Voodooでまともに動くかどうか不安だったのだが、どうやらアレはイメージショット(CG)だったらしい(笑)

しかしあのCG程では無いとしてもグラフィックスは驚くほど綺麗で、MotoRacerを凌駕しF1RSに近い感じの質感をもたらしている。
しかもこれ程綺麗なグラフィックスながら驚くほど軽く、メーカー公称のPOD、F1RSと並び60fpsと言う数値は伊達ではないと感じる。
D3DとGLIDEバージョンの違いだが、グラフィックス、フレームレートともGLIDEの方が有利だと感じた。
Voodooユーザーなら、間違いなくGLIDEでプレイした方が良い。
(D3D 25-50fps avr35fps,Glide 30-60fps avr45fps :P55C-206+Voodoo)

バイクレースゲームと言えば、今ではMotoRacerとManxTTが有名だ。
しかしMotoRacerが余りにも優秀な造りで、しかもManxTTが結構ヘボかったためこのRRの出来が非常に心配だった。
では実際走ってみてどうだろうか。

DEMOではコースがTudor Hillという田園地帯風の1コース、スペックの異なる2種類のバイクが選べる。
適当にチームとバイクを選び、アーケードモードを選択しゲームスタート。
まず目にはいるのはフォトリアリスティックな、綺麗な夕方の景色。
路面グラフィックスもしっとりとした感じで非常に綺麗だ。視点は追尾視点になっている。

シグナルがグリーンになりレーススタート!
普通にアクセルをONにしても、追尾視点ながらかなりのスピード感が感じられる。
コースは結構幅員が狭く、しかもコーナーが多いおかげで壁に直ぐにクラッシュしてしまい、何度もタイムアウト。こ、これは難しい・・・
コースレイアウトが上方に表示されているのだが、とても見る間など無い。

しかもコーナー数が多く不規則な感じなので、コースを覚えることが難しい。
しかしそれだけに、上手く走れた時の感動もひとしおだろう。

コースは遠景までしっかり描画しきっており、フォグでごまかすような事は一切していない。
また、中にはコース脇の塀から向こうが直ぐ四次元空間(笑)だったりするゲームも有ったりするが、RRは周辺の景色やオブジェクトにも抜かりがない。
空以外、遠景まで全て3Dオブジェクトで形成され、よくコレで30fps以上出せるものだと感心してしまう。
道路脇に広がる景色も単調ではなく、実際の風景に近く作られており好感が持てる。
この景色の感じはNFSシリーズに少し似ていて、小物も結構凝っていたりする。

また最近の3Dゲームによく見られるポリゴンの継ぎ目も、D3D、GLIDEとも全く見られない。
テクスチャーの質感と言いスピードと言い、この3Dエンジンは素晴らしいとしか言いようがない。

ところでRRにはMotoRacerと同様ターボ機能がついているのだが、これがMotoRacerとは全く違った感じで、どちらかと言えばニトロに近い感じ。
ターボボタンを押すと爆発的に加速し始め、しかもスピードが乗ってないときにターボを効かすと車体が暴れて転倒してしまう(笑)

そのため、MotoRacerの様にスタートダッシュにターボを利用することが難しくなっている。
さらにMotoRacerと異なり、ターボには使用制限が有る。
これはターボを使わないでいるとインジケータがだんだん上昇し、ターボを使うとゲージが減っていき、カラになるとターボを掛けることが出来ない仕組みになっている。
そのために、MotoRacerの様に直線では常にターボ全開とはいかなく、ターボを使うタイミングには駆け引きが必要になるだろう。

もっともDEMOで走れるコースは直線など殆どなく、ターボを掛ける機会がなかなか無かったのが残念だ。
製品版では、Sierra_Dorado等のコースでガンガンターボを掛ける事が出来るだろう。
(追加:このターボを掛けたときの挙動がβとDEMO版では異なりました。製品版では改良される可能性があります)

バイクの挙動はMotoRacer以上に凝っており、低速でターボを掛けると後輪が暴れ出すし、クラッシュしたときには様々なパターンでリアルに車体が空中を舞う。

スクリーンショットを取るため仕方なくD3Dモードにしたが、 もちろん人も舞うのだが、その時ライダーに男性、女性どちらを選んだかで悲鳴が異なるのが面白い。
もしかして、このためだけにライダーの性別選択を設けたのか!?
しかもターボボタンの他にサインボタンも有るのだが、これってガッツポーズをするだけ・・・?(笑)

また路肩には少しスロープが掛かっているのだが、たまにスピードが乗った状態で路肩でジャンプして、丘を飛び越えることが出来るのは面白い(笑)
この時に着地すると、サスがフルボトムし車体がふらつく感じも良く出ている。
他、細かいところでも「おっ!」と思うような挙動をする事もあり(バグ含む)、なかなかリアルで凝った感じになっている。
MotoRacerにグラフィックス面でもスピード感でも引けを取らないRRだが、唯一劣ると感じたのは視点だろう。
視点が非常に充実したMotoRacerに比べ、RRはバイザー視点の他は後方追尾視点が数点備わっているだけなのだ。

グラフィックスはGLIDEの方が断然綺麗なんだよね。 確かにバイザー視点はスピード感が堪能できるのだが、コーナーリング時に視点も傾くため、コントロールし易いとはお世辞にも言えない。

しかも視点が低いため見通しも悪く、コーナーの多いDEMOのコースではまともに走ることが非常に困難だ。
MotoRacerの様に、ライダー視点やライダー視点から少し上後方の視点も追加して欲しかった。
さらにどのコントロールデバイスを使用しても、視点変更がキーボードからしか出来ないのは問題だろう。

効果音も、ディスクブレーキ音など一部リアルなものも有るのだが、肝心のエンジンサウンドが今一の感を受けた。
もっとドスの利いたサウンドを聴きたいと思ったのだが、ちょっと上品すぎる音のように感じる。


Sierra_Dorado ハイスピードコース。ガンガン飛ばそう。 しかしDEMOながら、BGMがゲーム中流れていたのには驚いた。
PCMで再生しているのだが、それがゲームスピードに影響を与えている感じは全く無かった。
またDEMOながら、オートDEMO機能やリプレイ機能が有るのもDEMOとして優秀な点だ。
しかしコースやバイクの制限をしているのだから、時間制限までは必要なかったのではないだろうか。
もっとも極端には短く無い(15分)ので、そんなに気になるほどでは無い(ScreamerRallyの2分に比べれば)。
全体としてDEMOとしての完成度が非常に高く、ユーザーにDEMOで楽しんでもらおうという姿勢が感じられる。

操作性だが、PADやキーボードでも全く問題無くコントロール出来る。
試した中ではジョイスティックがもっともコントロールし易く感じた。
ハンドルは・・・・試したくない(笑)

Sea_Fall_Bayコース 海がとても綺麗だ。コースレイアウトも非常に凝っている。 RR製品版では8種類のバイク(隠し6台)に10種類のコース(隠し2コース)、6種類の環境に、3つの難易度、2つのゲームモードに8人までのマルチプレイモードが備わっている。

一部のコースの紹介をすると、Sierra_Doradoコースはハイスピードレイアウトで、アメリカ西部の様な雰囲気を醸し出しているコース。
長いトンネルやコース脇を併走する貨物列車など、雄大な感じがするコースだ。
バイクは加速性能より、最高スピード重視でセレクトするのをお勧めする。

Sea_Fall_Bayコース。小さな島の海岸線を周回するコースで、海の眺めがとても綺麗だ。波打ち際を水しぶきを上げながら走るのはとても気持ちが良い。
コースレイアウトもセンスが良く非常に凝っており、MotoRacerの追加コースで走れるシーサイドコースより更にエキサイトな走りが出来ることは間違いない。

RRはMotoRacerとは若干趣が異なり、ややシミュレーション寄りのゲームの様に感じるので、互いに比較して甲乙を付けることは無意味かもしれないが、MotoRacerに続き優秀なバイクレースゲームで有るのは確かだと言える。
しかしさらにアーケードライクに、もっと衝突判定をイージーに設定するなら、さらにストレス無く気分壮快にプレイすることが出来ると思う。
そうなれば、それこそ全ての面でMotoRacerを凌駕する、史上最高のバイクレースゲームになると思うのだが。

しかし・・・・これと同じエンジンで、是非カーレースものをプレイしてみたいと思うのは私だけでは無いハズ(^^;
最近こんな感じの、アーケードライクなカーレースゲームが少ないからな・・・(つぶやき)


■ Test Drive 4 DEMO  ★★☆☆☆

Accolade社によるWin95カーレースゲーム。

i386の時代からリリースされ続けているTest Driveシリーズの最新作で、4では3Dfx(Glide)に対応している。
レースモードはSINGLE RACE,CHALLENGE CUP,CHAMPIONSHIP CUP,PITBULL CUP,MASTER CUP,DRAG RACEの6モード。
コースはENGLAND,SANFRANCISCO,KYOTO(京都)を初めとする、全12コース。
車はDODGE VIPER,JAGUAR XJ220,NISSAN 300ZX,SHELBY CONBA,CHEVROLET CAMARO等、全9台。
1966年から最新のモデルまで、名車が揃っている。

ゲームの造りとしては、かなりNeedForSpeed(2 SE)シリーズに似通っている。
コースを一般車が走っているのもそうだし、パトカーまで走っている(ON/OFF可)。

また実際に走った感じやコースの景色まで、NeedForSpeedシリーズにそっくりだ。
この、今一車を操っている感じがしないというのは、ロードノイズなどの効果音が物足りない事からも来ているのでは無いだろうか。
また、NFSより視点に関しては結構な数が選べるのだがその殆どが追尾視点で、さらに全画面(バンパー)モードが無いのは残念だ。
その代わりドライバーズ視点が比較的広い(Screamer風)のは、NFSより良いと思う。

多くのコントロールデバイスに対応しているのは好感が持てるが、各デバイスでの更に細かい設定が出来ないのはレゲーとしてはかなりマイナスでは無いだろうか。
PADやキーボードならキーアサインの変更が出来て当然だし、ハンドルデバイスならSensitivityの設定は必須なハズなのだが、これらの設定項目は全く見あたらない。
全体的にこのソフトは、“錬り足らない”という印象を受ける。
NeedForSpeedモドキなのだが、本家の悪いところ(走行感覚の薄さ)も継承し、さらにユーザーインターフェイスの点でNeedForSpeedシリーズに遅れを取っている。

しかし、Glideを使用した美しいグラフィックスは特筆すべきものかもしれない。
動作スピードも全く不満が無く、非常に滑らかだ。
だが、レゲーは走りが本質だという事を忘れると、結局数回走っただけで飽きてしまう事になりかねないのだ。
その点TTCCやU@R_PROなどは、連続100回走ってもまだ走りたくなるような魅力を持っている。
他のレゲープロダクションにも、これらのソフトを見習って欲しいと思う。

まあこれは蛇足だが、このソフトは“Test Drive”という名前でかなり損をしていると思うのは私だけでは無いはずだ(笑)




■ SEGA Touring Car Championship ★★★★☆

 SEGA社によるWIN95ツーリングカーレースゲーム。

 同名のアーケードゲームを題材にした、SSのSTCCからの移植作品となっている。
またこのソフトはDAYTONA_EVOのように、最初はDD版がリリースされ後にD3Dパッチがリリースされる形となっている。

 ネットワーク8人対戦も行え、サターン版同様インターネット上での、タイムアタックコンテストも開催されている。
さらに、特定の日の24時間だけプレイできる、グローバルネットイベントも開催されているなど、SEGAがこのソフトに力を入れている事が伺える。
サターン版から追加された新コース“アーバンコース”や、車の新カラー、新車種“セガプロトレーシング”も備わっている。
SS版と違い解像度が高いので、SS版で問題だったコースの先がよく見えないためコーナーリングが難しいと言うようなことは無い。

 通常のゲームモードで使用できる車は4台。
アルファロメオ(4WD)、トヨタ スープラGT(FR)、AMGメルセデス Cクラス (RWD)、オペル カリブラV6(4WD)となっている。
またコースは通常モードでは、Country Circuit、Grun walt Circuit、Brick wall townの3コースとなっている。
ゲームモードも、アーケードそのままの設定を楽しめるアーケードモードと、タイムリミットが無く二人プレイも楽しめるPCモードが備わっている。

 音楽はAVEX TRAXによるもので、DAYTONA_EVOに続きBGMにもかなり力が入っている。
ノリの良いユーロ系の曲が多く、ゲームに飽きても音楽CDとしての余生が送れるだろう。

 ゲーム内容は、これまでのドリフトバリバリのSEGAレースゲームと異なりシミュレーション色の濃いマジなレースものになっており、実際のツーリングカーレースと同じようにタイヤを滑らせればそれだけエンジン回転数が落ち、 タイムロスにつながるのだ。
そのため、適切なブレーキングとシフトチェンジによりグリップ走行を心掛けなければならなくなっている。

 駆動系の違いによる操作性の差も付けられており、FRの場合は急なアクセル&ブレーキ操作をすると後輪が横滑りをし、カウンターステアを当てなければすぐスピンしコントロールを失ってしまう。
これまでのSEGAゲーと違い、非常に繊細なハンドリングとバランス感覚が要求されるのだ。
そのために、PADでの操作だと異例のハーフアクセル&ブレーキ機能が付加される事になる。
しかしスープラをPADでまともに操作するのは不可能に等しい。

 SEGAの宣伝通り、このゲームはアナログハンドルとアナログのアクセル&ブレーキコントローラーが必須となっている。
例えば4WDと違いFRには回転数の低下を補うパワーがあるので、微妙に滑らせた方が速く走行することが出来る。
この時にDAYTONAやSEGARALLYのように一気にカウンターをあてるのではなく、あくまでも滑らかに滑らせる感じにしなければならない。
コーナーリングも、ハーフスロットル&ハーフブレーキを駆使して滑らかにクリアするように心がけなければならない。
この様な操作方法は、全くPADには向いていないのだ。

 しかしT2のようなハンドルデバイスでも、この様な繊細な操作は難しく感じる。
特にT2の場合、ハンドル&ペダルともバネが強めのため、なかなか滑らかなスロットル操作がし難いのだ。
ムリをしてハーフスロットルを維持しようとすると、足がつってしまうほどだ(笑)

 しかし苦労をしながら滑らかにコーナーをすり抜けられたときには、その苦労に報いるだけの爽快感を味わうことが出来る。
リプレイも自由に記録出来るので、上手くいったシーンを抜き出して友達に見せることも可能だ(笑)

 コース自体は普通のサーキットといった感じで、DAYTONA等のようなコースから感じるエンターテイメント性は全く無くなっている。
まさに、タイムを競うためだけに走るといった感じだ。

 しかしスピード感に関してはSEGA PCレースゲーム随一のものがあり、なかなか壮快に走ることが出来る。
原理としては、MMX_SEGARALLYのようにフレームレートを端折っているだけのようなのだが・・・
恐らく今後リリースされるD3Dパッチを充てれば、DAYTONA_EVOの様に滑らかにフレームレートになるのではないだろうか。
少し気になるコースの継ぎ目も、このパッチで解決されることを期待しよう。

 Ultim@te Race Proの様な走行する楽しさや、グランツの様な派手なフューチャーは無いが、実質剛健といった感じに仕上がっておりSEGA PCレースゲームとしてはなかなか良く出来ている部類には入るだろう。
出来れば次は、最初からD3D(できればGlide)に対応したスカッドレースの移植を期待したいが・・・