RACING FRAME ON


■ V-Rally DEMO  ☆☆☆☆☆

 このゲームはInfogramesによる、3Dラリーレースゲーム。Glide/Direct3D対応。

 DEMOで選べるコースはCORSICA(ターマック)のみ、その代わりDEMOにしては珍しく、SUBARU IMPREZA WRC、MITSUBISHI LANCER、TOYOTA COROLLA WRC、FORD ESCORT WRC、PEUGEOT 306 MAXI、RENAULT MAXI MEGANE FR、NISSAN ALMERA KITCAR、SEAT IBIZA KITCAR EV2、CITROEN SAXO KITCAR、SKODA FELICIA KITCAR、PEUGEOT 106 MAXIの、計11ものOfficial World Rally Championship Carsを選択できる様になっている。これは製品版と変わらない。

 また各車とも迫力は無いまでも、エンジン音を微妙に異ならせている点は評価できる。

 このDEMOでは一見CORSICA以外にINDONESIAやSPAINを選択できるように見えるのだが、実際にはCORSICA以外走れないようだ。残念。
ちなみに製品版では、40もの各国のコースが含まれている。

 オプション類はコントロール、サウンド等比較的充実している部類だが、グラフィックス設定が弱いようだ。
せめて各表示オプションや、解像度の設定位は備えて貰いたいものだ。

 車自体の設定もギアボックスやサスペンション等、簡単ながらも行える。

 レース中選択できる視点は全画面視点、ボンネット視点、後方追尾x4の計6つ。
まず不足は感じないが、ドライバー視点が無いのは評価が分かれるポイントだろう。
ボンネット視点が有るので、私はそれ程問題には感じなかった。

 グラフィックスに関しては殆ど設定が無いに等しいが、実際に表示されるのを見るとなかなかのもので、まずIRCレベルは行っている感じである。
レンズフレアも結構綺麗だし、動作速度もGlide/Direct3D共申し分ない。

 スピード感も、ラリーレースものの中ではかなり有る方だろう。

 さて、褒めるのはこれ位にしておこう。

 このゲームでまず驚くのは、そのラリーゲーム中最悪とも言える車体モデリング&カラーリング(まともなのはカローラ位?)だろう。
今まで最悪だと思っていたIRCすら下回る様には、かなり呆れてしまった。

 実際に操作した時にも車重や路面抵抗の感覚が無きに等しく、しかもハンドル入力に対しクイックに反応し殆ど直角に曲がってしまうという、あまりにも怪しい挙動。

 さらに路肩に乗り上げると直ぐに転がりスピンしまくるため、お陰でしばらくプレイすると気分が悪くなる状況に陥った。

 コース設計も単調で、走る気力を無くしてしまうのに十分なレイアウトだと言える。

 コンシューマ用に販売されていた時からダメゲーの烙印を押されていた当ゲームだが、PCに移植されてもダメさは直っていなかったようだ。

 本当は更に言いたいことが有るのだが、このゲームにはそれに労力を裂くのももったいなく感じる。
買うだけ(遊ぶだけ)無駄だと言えるだろう。


  

  

  

  



■ Mars Maniacs DEMO  ★★★★★

 このゲームはChurch Electronic Entertainmentによる、近未来3Dレースゲーム。Direct3D対応。

 このゲームは近未来的な都市に設置された首都高的夜景の美しいコースを、57年代の様なクラッシックな外観をしたエアカー(?)で爆走するというものである(笑)。
DEMOで選べるコースと車種は一つのみ(一見他の車種も選べそうなのだが・・・)。

 ゲーム内容としてはDethkarzPowerslide、PODが近いと思われるが、確かに景色の美しさでDethkarzに、ドリフト感覚はPowerslideに、そして走行感覚はPODに似ている。
 しかし、Dethkarzの様に敵車を攻撃する手段は備わって無く、Powerslideの様なまでなズリズリ感の有るドリフトでは無い。

 このMars Maniacsは、思った通りにコーナーリングでカウンターをあてる事が出来、気持ちが良い。
またあっと言う間に無くなるもののブースター機能があり、なかなかのスピード感がある。

コースレイアウトもDethkarzの様に高架的コースなのだが、流石にこのゲームではコースアウトする心配は無いようだ(笑)。
この点では走った感じWipeOutXLに、やや似ているとも感じられた。

  しかし近未来的レースゲームでは常套となった、敵車攻撃アイテムが無いのはマルチプレイ時に寂しいかもしれないが、有れば有ったで走りに集中出来なくなるので、それは別に構わないだろう。

 さてこれが無いと私のそのDEMOに対する評価が大いに下がるポイントとして、OPTION項目が有るか無いかというのが有るが、このDEMOではぎりぎりグラフィックスとサウンドの設定は行えるようだ。

 私がプレイした時にはグラフィックス設定が最高の60fps設定になっていたので一応そのままでプレイしたのだが、実際に30fpsとは見た目でかなり違い、非常に滑らかにゲームが動いたのには驚いた。

 グラフィックス自体も非常に細やかで美しく、車体の反射光や前方の闇夜に光り輝き長い尾を引く敵車のバーナーなど、見るべき点は多い。

 この滑らかさとコーナーリングの心地よさ、そしてDethkarzにも劣らない(それ以上?)、周囲の景色の格好良さで、一見大した事が無いDEMOにも見えるが、星4つをあげたいと思う。

 しかしキー操作が左右、アクセル、ブーストの4つしかないのは如何にもコンシュマー的造りのように思える。
あまりにも最近のゲームの中では簡易すぎて、思わず幼少の頃遊んだ2ボタンしかないリモコンカーを思い出してしまった(笑)。

 まあ簡易なのは良いとしても、Readmeまで簡易にするのはどうかと思うが・・・

 しかしより詳しいReadmeとアナログ、デジタル、キーアサイン程度を備えたコントロール設定。
そしてせっかくの美しいコーナーリングを後ほど堪能するためのリプレイ機能(DEMOでも有った方がよい)。
さらに全面と後方追尾だけの2視点だけでは無く、もっと豊富な視点切り替えが有れば(多すぎるのは困るが)、評価がさらに星半分はアップする事だろう。

 もっとも、当方の評価に星半分というのは存在しないのだが。


 −2nd Impression−

 上記のレビューをアップして数時間後に2ndを書くのはどうかと思ったが、上の文は修正せずに新たにレビューを書き加えたいと思う。

 さて、このままHDDから消去しようかと思っていた本DEMOであるが、この綺麗なグラフィックスをもう一度見るのも悪くはないだろうと思い、再度プレイしてみた。

 結果・・・・しばらくはまってしまった(笑)。

 まず気が付いたのは、最初はてっきり3周がリミットだと思っていたのが、実はTIME EXTENTION制で速く周回すればする程、何周も走れると言う事だ。

 これに気が付いてからは、さらにブースト機能が周回ごとに幾分回復する事に気が付いてからは、一体何周回れるのかと熱がついつい入ってしまった。

 取りあえずしばらく走ったところでは、なんとか14周までは行けた。
14周目ともなると周回遅れが出始めるので、これ以上はさらなる熟練を要する感じだ。

 しかしどうも周回を重ねれば重ねるほど、スピード感が増しているように感じる。
まるで周回すればするほど敵が強くなる、某シューティングゲーの様だ(笑)。
(一周目では280km/hそこそこがMAXなのだが、14周目ともなると軽く500km/hを越えるようになるのでそう感じる)

 結果として10周目を越える辺りから目も回るほどの勢いで走ることになり、自車を操るキー操作に指が付いてこなくなる程だった(笑)。
最近はあまりゲームをしていないので、目も指もなまってしまったのだろう。

 ゲーム以外にも気が付いた点が有る。
上で言っていた60fps固定モードだが、どうやらこれを選ぶと他の項目をどんなに高くしても、そのマシンで60fps出るように、勝手に設定を変えてしまうようだ。

 これは1024*768で60fps固定モードにした時に、路面がフィルタリングされなくなったので気が付いた点だ。

 もっともfps解除モードにすると、設定した画質で出る最高のfpsが表示される事になる。
流石に1024*768で60fpsは無理だったようだ(800*600はOK)。

 しかしこのゲーム、WipeOutXLやPODで不満だった自車とコースのスケール感に関する違和感が全くなく、全画面視点にしても後方追尾にしても非常に操作し易く、走っていてストレス無く心地良い感じを受ける。

 敵車との辺り判定も違和感無く、このゲームけっこうしっかりとした造りという印象を受けた。
欲を言うならば、壁に接触した時の減速度合いをもう少し弱めて欲しかったと言う所だろうか。

 このしっかりとした敵車との辺り判定を見ていると、このゲームであればマルチプレイも面白いのではないかと思えてくる。

 結果、このDEMOには星を5つ付けることにした。
すこし甘いかもしれないが・・・



  


  


  


  



■ Sports Car GT DEMO  ★★★★★

 このゲームはElectronic Artsによる、3Dレースシミュレーション。Glide/Direct3D/FFB対応。

 DEMOで選べるコースはLime Rockのみ、天候は変更できないが夜間コースを走ることが出来る。

 車両はPanoz GTR-1、BMW M3、 Beginners Car (ポルシェ?)の3台を選択可能。ちなみに製品版では実在する45種もの車両が登場する。

 レース中選択できる視点は全画面視点、自在カメラ(笑)、TVカメラの計3つ。
基本的視点は3つながら、カメラの位置を自在に変更できるという特徴のお陰で、特に不満を感じる事は無い。ルームミラーも装備している。
ドライバーズ視点が無い事が評価を下げてしまうポイントになるかもしれないが、個人的にはそれ程問題にはならないと思っている。

 もっともドライバーズ視点は当然有ればそれに越したことは無いのだが、このゲーム自体が45種もの車両を扱っている故に、それぞれの車種毎に内装グラフィックスを用意しなければならない手間を考えると、これくらいの妥協は許せるだろう。

 他にもDEMOながら、グラフィックス、コントロールオプション設定類やカーセッティング等のメニューは全て機能しており好感が持てる。
自分の思った設定ができずイライラさせられるDEMOが多い中で、これは評価を高めて良いポイントだ。

 さらにリプレイ機能(保存可能)やステアリング、ブレーキサポート機能も搭載しており、正に至れり尽くせりの造りとなっている。


 実際の走行画面に目を移してみると、車体モデリングは今まで見てきたレースゲームの中でも一番と言って良いほど凝っており、車体の細かな凹凸やリアウイングまで立体的に再生されている。

 車体テクスチャーも非常に細かく、スポンサー名もはっきり解るほどだが、最近流行の半透明処理で車内を見させるというテクニックは使われていない。その為に、如何にもテクスチャーで車体を覆っています的な外観になっているのは残念。

 コースや周囲のオブジェクトの作り込みは結構丁寧で、TOCA2並かそれ以上に感じらる。
絵画的なグラフィックスのTOCA2に対して、このゲームはより実写的な風景を再現している。

 実際に走行してみると、TOCA2の様なリアルな走行感で、難易度はTOCA2より下げた感じを受けた。

 最近プレイしたレースゲームは、殆ど接地感など無視したホバーカー的動きで走る気すら起きないものだったが、このゲームはグリップし過ぎる訳でもなく、かといって常にタイアが滑っているという感じでもなく、走っていて理不尽な感じのしない自然な挙動だと感じる事ができた。
 確かにTOCAのスピンし易い特性が実際に基づいているとしても、やはり素人からすればこちらの方がより自然な挙動に感じられてしまう。

 また車種毎にコーナーリング性能などのコントロール特性が異なるのを再現しているのも、なかなか優れたポイントだと思う。
さらにアスファルトやサンドトラップなど、路面によってグリップの度合いがはっきり解るのも、TOCAに似て良いポイントだ。

 エンジン音もなかなかにリアルで良いのだが、ロードノイズがエンジン音を上回って再生されているのには違和感を感じる。

 走行中の正確なフレームレートは解らないが、目測で30fpsは確実に越えているようだし(800x600、Glide、P2-266)、レースでのスピード感も申し分なく、このDEMOをプレイした限り文句のないゲームであると言うことができるだろう(追加:ルームミラーを表示するとフレームレートが結構落ち込むようだ)。


  

  

  

  

  



■ Road Wars DEMO  ★☆☆☆☆

 このゲームはIntense Entertainment Interactiveによる、3Dコンバットカーレーシングゲーム。Direct3D/3DNOW!対応。

 このゲーム、コンバットレースと銘打っているように、DethkarzやWipeoutシリーズのように敵車を攻撃しながらレースを進めるタイプのゲームだ。
しかしこの手のゲームには珍しく舞台は近代となっており、登場する車も結構見慣れた感じのものが多い。

 DEMOではゲームモードがシングルレース、使用できるキャラクターはBUD THE CRUD、コースはMOUNTAIN RUNのみ、これを計4台で競うレースを楽しむ事が出来る。

 このゲームでも他のレースものに有るようなガレージが有るのだが、他のゲームがここでは車の設定を行うのに対し、このゲームではTIRES、DRIVE TRAIN、WEAPONS、ARMOR、REPAIR、MISC、PAINTの各設定を行うことが出来るのがコンバットレース的特徴である。

 メニュー関係では他にグラフィックスやサウンド、コントローラーに関する設定が有るが、3DNOW!の設定やTripreBufferingの設定が出来たり、ハンドル、キーボード両方の設定が当時に生かせたりそれらの設定が保存できたりと、特に不満は無い作りなのは良い。
DEMOながらBGMもレース中流れている。

 レースもので定番の視点切り替えはドライバーズ視点、ボンネット視点、追尾視点x3、後方視点、TV視点など充実している。
さらにFPS表示も出来る優れものだ。

 さてDEMOとして今まで挙げたポイントを考慮すると結構良い線を行っているように思える。
しかし肝心の走行感覚等に関してはどうだろうか。

 まず真っ先にこのDEMOをプレイした人が思うのは、「最高にコントロールし難い!」という事だろう。
とにかく真っ直ぐに走ることが難しいのだ。

 これは有る程度コントロール設定で何とか出来るのだが、それでも劣悪な操作感覚には代わりがない。
このゲームをプレイすると、N.I.C.E. 2NEED FOR SPEED IIIすら、とても素晴らしい操作感覚のゲームに見えてくる程だ(笑)。

 さらにこのゲームが売りのコンバット装備が、実際には全く役に立たないのも情けない。
真っ直ぐ走るのも難しいのに、どうやって敵車に攻撃を当てれば良いというのだ。

 大体攻撃を受けて車体が破損されるより、壁にぶつかりまくって車体が破損し走行不能になる事の方が断然多いのだ。

 コース自体もコーナーが多く、スピード感にも乏しいし、さらに陳腐なグラフィックスの割りにそんなに描画が軽いわけでも無い。

 本来こんなゲーム、レビューすら書きたくないのだが、このDEMOに先だってプレイしたJeff Gordon XS Racingがこれより酷いDEMOだったので、結局このDEMOをレビューする事となった。

 まったくどちらともHDDのゴミにしかなり得ないDEMOであると言える。