ACTION FRAME ON


■ Shadow Company DEMO ★★★★★


SinisterGameによる3D傭兵アクションSLG。Direct3D対応。

 一見C&CなどのクォータービューSLGに見えるゲームだが、実際の所はC&CとSpecOpsを足して2で割ったような、クォータービュー・アクションSLGとも言えるようなものとなっている。

 「クォータービューではなく、3rdパーソンビューではないのか?」と思われるかもしれないが、基本的にプレーヤーはキャラクターがどこに居ようがお構いなく自在に視点を3次元移動することができ、マップの隅々まで何時でも見ることが可能になっている。

 しかし地形やオブジェクトは常に見る事ができるが、敵兵はキャラクターの有視界内のものしか表示されない。
またキャラクターの進行方向が常に自分の視点と同じという事は無いので、歩哨の足音で危険を感じたりした時など、その都度キャラクターの周囲をチェックする必要がある。

 プレーヤーは、操作したいキャラクターを指定し移動先やオブジェクトをクリックするだけで操作できるが、この時にスタンディング、クラウチング、匍匐、歩行か走行かなどの状態を選択できる。
 
 このゲームではキャラクターが敵兵に近づいても、敵兵が後ろを向いていたりこちらがゆっくりと近づく限り、こちらの存在に気づかれることは少ない。

 そのために移動が素早いナイフ使いのjohnなどを使えば、歩哨に気づかれることなく止めを刺す事も可能だ。
フラググレネードやショットガンなどの派手な武器は、余計な敵兵を呼び集めるだけに、キャラクターの使い分けも重要になっている。

 ちなみに2ndDEMOのパーティーは男3人編成だが、それぞれのキャラクターに得意分野と役割があり、プレーヤーは適材適所を心がけないと、パーティーが即全滅する事にもなりかねない。
 アクションゲームと言っても、プレーヤーの能力より基本的にそれぞれのキャラクターの持つパラメータが結果に反映するため、この点からもSLG的と言えるだろう。

 このゲームの1stDEMOではパーティーの編成や、装備の調達をあらかじめできたのだが、2ndDEMOの初期状態では最小の装備しか各自備えていない。
その為に前述の様な戦術を使用したりしながら、敵キャンプから装備を奪う必要が出てきている。

 取得できる装備は多岐に渡り、医薬品からフラググレネード、ショットガン、MAC11、AK-47、Scorpion、Uzi、ショットガン他、さらに各弾薬、ケブラーベスト、ビノキュラーなどが有る。 1stDEMOではバズーカも登場していた。

 ちなみになぜ初期装備が貧弱かと言うと、それはDEMOシーンが進退窮まり満身創痍状態に追い込まれた傭兵の立場で始まるからだ。

 この多勢に無勢的シチュエーションこそ、このゲームの魅力だろう(本当か?)。

 プレーヤーキャラがやたらと強いという事はなく、基本的に敵兵と同程度の能力しか持たないので、その分知恵を必要とするSLG的要素を持つのだ。

 このゲーム、グラフィックス的には不満はない。
この手のゲームに有りがちな箱庭的雰囲気ながら、たき火などの光源やテント、バラック、SAM等のオブジェクトも細かに造られている。

 さらにサウンドもコンバット映画並みにリアルだ。虫の音やカエルの鳴き声などの環境音までもリアルで、文句を付けるところは無い。

 完全なアクションゲームでは無いため、SpecOpsやRainbowSixに慣れた人には思う通りにキャラクターを動かせずイライラさせられる事が有るだろうが、慣れると雰囲気は同等のため十分楽しむ事ができるだろう。

  
  
  
  
 


■ Hell-Copter DEMO ★★★★☆


Drago Entertainmentによる3Dヘリコプターシューティングゲーム。Direct3D対応。

 このゲームはクォータービュー形式のゲーム画面でヘリを操り、ミッションをクリアして行くタイプのものだが、Nuclear StrikeやDesert Strike等のStrikeシリーズを遊んだことのある人なら、これらのシリーズと殆ど同じゲームシステムで有ると言えば、すぐ理解してもらえるだろう。

 プレーヤーは攻撃ヘリ部隊“Hell-Copter" のリーダー“Robert Fortune”として、DEMOでは軽装ヘリからアパッチクラスの重装ヘリまで、性能(使用目的)の異なる3機種で2つのミッションをプレイする事ができる。

 このタイプのゲームの場合、箱庭的グラフィックスでチープな感じになりやすいが、このゲームでは地形表現やオブジェクトのリアルさで、その辺りを補っている。

 爆炎やミサイルの軌跡等のエフェクトも、最新のStrikeシリーズにも引けを取らない美しさだ。

 また搭載しているウェポン類も多様で、重装備のアパッチクラスになると、バルカン、Wバルカン、ミサイル、ホーミングミサイル、マイクロミサイル、ボム、フラグメンテーション等、使い分けるのも大変な7種類もの装備を使用する事ができる。

 これらは特定のオブジェクトを破壊するときに出現するアイテムをゲットする事で補給されることも有る。また所定特定のヘリポートに着陸すれば、自機の装甲を補修することも可能だ。

 通常ヘリものと言えば操作体系が普通のフライトもの以上に煩雑になるものだが、このゲームはシューティング系だけあって、前後左右、上下しか覚える必要が無い(笑:他にもキーは有るが)。

 しかしヘリの利点と言えば平行移動できる事だと思うのだが、このゲームの場合それらしきキーは見あたらなかった。
シューティングだからという事で、余計な操作を省いたのだろうか・・・
ちょっと残念だ。

 またヘリシューティングでは当たり前なのだろうが、このゲームの場合も本当に申し訳程度にしか高度を変更することができない。
これもゲーム性を損なわないためなのだろうが、私的には見通しが悪く感じられ気持ちが悪い(ズーム機能は有るが、申し分程度)。

 まあそれらの欠点と思われる所も実際のプレイに置いては些細な事だ。
このゲームは結構本格的なミッション遂行型のゲームで、プレイし甲斐のあるものだと言えるだろう。

 例えばDEMOのミッション1とミッション2では、ミッション1の方が時間に迫られる展開だったりと、なかなか緊張感の有るプレイが楽しめ、シューティングゲームにしては戦略性も兼ね備えた、優れたゲームだと言う事ができる。

 シューティングの醍醐味である爽快感と迫力も、バルカン以外を撃ち尽くしてしまうまでは十分有る(笑)。

 シューティング系はゲームバランスを取るのが難しいのだろうが、このゲームはその辺りの均衡が良く取れており結構ナイスな仕上がりだった。

 オールフランス語のDEMOだったという点さえ無ければ、★5つ付けても良かったかもしれない。

  
  
  
  
 


■ Storm DEMO ★★★★☆

 Buka Entertainmentによる3Dシューティングゲーム。Direct3D、Glide対応。

 このゲームは2351年、ギャラクシー連盟惑星であるVelianを舞台にしており、プレーヤーは空中を自在に飛行できるVTOL機を使用して、地上部隊をサポートする事になる。

 大体のプレイ感覚としてはUrban Assaultでのアクションモードに近いものが有ると言える。

 操作に関してはこのDEMOは少々クセがあり、キーコンフィグの類が無いため使いづらいキーアサインで無理に飛ばなければならないのが辛いところだ。

 基本形がVTOLなため、上昇下降、左右平行移動、方向転換、前進後進と操縦だけで手一杯になってしまう。
このあたりは当然次回DEMOか、もしくは製品版で改善されるのだろう。

 それ以外では、非常に美しいグラフィックスが目立つゲームだと言う事ができる。

 空気遠近法が取り入れられ、リアルな地形描写と相まっていかにもSF的な雰囲気を感じさせてくれる。

 自機も含めたオブジェクトの造りも細かいし、爆発や炎のエフェクトも非常に美しい。
派手な演出は無いものの、硬派な造り込みで好感が持てる。

 さらに特徴的なのは、その非常に繊細なゲーム画面だろう。
あまりにも緻密なため、800x600以上の解像度でプレイしていると勘違いした程だが、実際には640x480であったので驚いた。

 上空に浮かぶ月の描写やレンズフレアも美しく、同類ゲームの中でも一歩抜きん出たグラフィックスを誇っていると言えるだろう。

 もっとも肝心のゲームプレイに関しては前述したとおり、思うとおりに操作することで手一杯になりがちで、気が付くと敵陣のまっただ中に突入していたりと、なかなか難しいものだった。

 しかし自機が被弾するとその箇所が実際にグラフィックス上でも破壊され、そこにマウントされていた装備が使えなくなるのはリアルだと思う。
満身創痍状態で空中に漂っている自機を見るのは、なかなか辛いものだ(笑)。

 ちなみにこのDEMOはキーアサイン、グラフィックス、オーディオに関するオプションの類が全くなく、しかもサウンドすら付加されていない初期DEMOなので、これ以上の評価はできなかった。

 だがその美しいグラフィックスを見ると、なかなか今後に期待の持てるゲームだと言うことはできるだろう。

  
  
  
 


■ Xtom 3D DEMO ★★★★★

 Jamie System Developmentによる3Dシューティングゲーム。OpenGL対応。

 このゲームは日本では昔から馴染みのある縦スクロールシューティングゲーム、例えば雷電や達人を3D化して俯瞰視点でプレイできるようにした、シューティングゲームである。

 しかしこのゲーム、細かいことは抜きにして本当に良くできていると思う。
縦シューの本場、国内のベンダーからこの手のゲームがリリースされないのが不思議なくらいだったのだが、このゲームをプレイすれば、海外ベンダーでも十分にイケてるシューティングを造れるんだなと思えてしまう。

 例えばプレイヤーキャラ(アニメ風の男女キャラ)によって2種類の機体を使用できるのだが、それぞれの機体が外観以外に攻撃方法も異なるのだ。

 男キャラでの機体で使用できるのは基本的にバルカン系のみだが、シューティングの醍醐味のボンバーを3発使用できるようになっているし、女キャラの場合はボンバーを搭載していないものの、バルカン系、ホーミングレーザー系、フィールド系の3つの装備を使い分けることができる。

 さらにシューティングのお約束であるパワーアップアイテムも特定の敵機を破壊する事で出現し、主砲強化やサブ装備(ミサイル等)の装着もできる。

 さらに凝っている点として、各装備ともタメができるというのが最高に気に入った。
確かにタメている間は無防備になるが、一斉射の時の迫力と爽快感は、これぞシューティングの醍醐味!と言うしかできないものなのだ。

 トドメとしてはボスキャラ(巨大な飛行戦艦)まで出現し、強力な火力でプレーヤーを十分楽しませてくれる。

 またゲーム性以外に、そのOpenGLによるグラフィックスも素晴らしいものだ。
最初に驚くのは、高原に広がる雲海だろう(ディテールを上げるとさらに綺麗)。
これほどゲーム中にリアルで綺麗な雲を見たのは初めてのような気がする。

 敵機や地上オブジェクトの造り込みも非常に丁寧で、ステージ構成も飽きさせない様に次から次ぎへと背景オブジェクトが変わってゆく。

 サウンドも結構イケてる部類だろう。サンプリングレートがやや低い感じはするが。

 こんな感じでなかなか感銘を受けたこのゲームだが、一つ気になる点が有るとしたら疑似3D故の操作感覚の違和感だろう。

 プレイしていて距離感が掴みにくいと思う場面が結構あり、そのため特にアイテム取得がなかなか面倒くさい。
また同じ理由で敵弾を今一避けにくいのも問題だ。
もっともこれは慣れの問題でも有るので、時間が解決してくれる問題だと言えるだろう。

 しかしいずれにせよゲームの本質が良いため、若干のクセもそれ程ストレスに感じられないのは流石と言うべきである。

 2人プレイ、ネットワークプレイ、ジョイパッドにも対応しているし、シューティングゲーム好きなら一度はプレイする価値のある逸品である。