PC GAME REVIEW
STRATEGY
FRAME ON
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Geo Conflict4
★★★★★
COMPILE
によるWIN98,SLG、ジオコンシリーズ最新作です。
一見普通の俯瞰タイプRPGに見えるジオコン4ですが、実際にはプレーヤーはエステロミア王国の傭兵団長の立場で国王や周辺地域の人から仕事を請け負い、部隊を編成し部隊のために部材の調達や配備を行う、経営SLG的なものになっています。
冒険や仕事、戦闘は全て傭兵達12人が自動で行い、これらにプレーヤーが参加する事は有りません。
そのために少しでもRPG気分を期待して購入するとがっかりするかもしれませんが、SLGとしても難しくはなく、ストーリーも有るので私はお勧めします(笑)。
このゲームは一ターン中、大まかに3つのフェイズが有ります。
まずは更新フェイズで、前期の結果による収支や、ミッションの発生などについての報告が行われます。
次に編成フェイズで、傭兵のアイテムや装備品、技を変更したり、部隊を編成したりします。
ここでは各部隊を更新フェーズで情報の有ったミッションに割り当てる訳ですが、当然傭兵部隊ですので、部隊を構成する各個人の能力値毎の派遣費用とミッション成功報酬を天秤に掛けながら、部隊編成を行わなければなりません。
このゲームの醍醐味は殆どここに集約されていると思いますが、例えばゴブリン討伐ミッションが報酬金1000で有ったとします。
前衛に剣士x2、後衛に僧侶x1、盗賊x1を配置して派遣費用が1500掛かるとします。
しかしこれでは収支がマイナスになる可能性が有るので(プラスになる事もある)、剣士x1、僧侶x1の派遣費用700でミッションを行うことにするとしましょう。
確かにそれでこのミッションに成功すれば収支のプラスが大きいですが、もしミッションに失敗した場合、報酬が貰え無いどころか派遣費用の700は引かれるし、部隊に配備した薬品等は無くなってしまい、更に貴重な傭兵員まで数ターン治療のために使用できなくなると言う事になってしまいます。
また救出や剣術指南、鑑定といったミッションも有るのですが、これに大部隊で向かわせたりしても派遣費用の無駄ですし、神物の鑑定に剣士を向かわせても鑑定に失敗し、報酬も貰えないという事になりかねません。
さらに誰を部隊のリーダーにするかもミッション成功の合否に関わるので、これらがこのゲームを面白くしています。
最後に冒険フェイズです。
部隊を派遣すると、派遣先によって町や地下迷宮を自動的に傭兵が探索します。
敵モンスターと遭遇すると戦闘画面へ切り替わって、傭兵とモンスターの戦いになります。
派遣した部隊が見事ミッションを完了するか、あるいは途中で任務遂行を断念すると報告画面へ移行します。
この冒険フェイズはDirect3Dを使用して描かれており、町やダンジョン、戦闘効果などが美しいグラフィックスで展開されます。
またこのゲームにはジオコン4以外のゲームも沢山含まれています。
元祖GEO CONFLICT(98オンリー)、GEO CONFLICT2(98オンリー)、GEO CONFLICT3と言った、歴代ジオコン。
さらに2DのアクションゲームMystic Arts、アドベンチャーゲームのGEO CONFLICT ADVENTURE、次期アクションRPGのWander Wonder体験版、他にも設定画像集やジオコン漫画なども収録されている、とても太っ腹なコンパイルらしいパッケージになっています。
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銀河英雄伝説V
★★★★☆
ボーステック
によるWIN95,シミュレーションゲーム。
OVA、小説などで根強い人気を誇る田中芳樹原作の長編スペースオペラ「銀河英雄伝説」。
PCゲームとしても古くから歴史があり、これはその最新作第5作目となる。
銀英伝Vには2つのプレイモードがあり、キャンペーンモードとシナリオモードを選ぶことが出来る。
キャンペーンモードには総シナリオ数60本以上が納められており、過去最高のシナリオ数となっている。
もっとも60本も連続してプレイする訳ではなく、帝国軍と同盟軍シナリオに別れ銀河英雄伝説の物語の流れを体験する事が出来ほか、 戦況などによっては原作に無い展開を楽しむことが出来る分岐型シナリオとなっている。
そのために一度の攻略では60本ものシナリオを楽しむことは出来ない。
シナリオの分岐チャートは説明書に書いて有るので、わざと負けてみるのも時としては必要だろう。
銀英伝Vは最新作らしく、フルポリゴンで製作されたCGが3Dアニメーションとして全体に採用されている。
それにより戦闘マップ上で、帝国軍旗艦「ブリュンヒルト」や同盟軍旗艦「ヒューベリオン」はもちろん、 キルヒアイスの搭乗する真紅の「バルバロッサ」、果ては駆逐艦から補給艦までがリアルな3Dオブジェクトとして登場する。
アニメーションパターンもかなり用意され、リアルタイムでも滑らかな機動を見せる。
シリーズIVまでは戦略重視のシミュレーションだったが、Vでは艦隊戦をメインとした展開になっており、内政などに気を使う必要は無くなった。
ゲーム自体はウインドウシステムを採用しているが、シュバルツシルトの様にウインドウサイズや位置を自由に変えられるタイプではなく、 殆どがメインウインドウ上で完結するタイプだ。
全体マップだけリサイズと非表示が可能になっており、後はユニットをクリックすることにより適宜サブメニューを呼び出す事が出来る。
これにより、操作のし易さと画面表示の簡素化が可能になっている。
星系全体を一つのマップに納め、艦隊の移動も全てそこで行い、戦闘の時には戦術ウインドウに切り替わるシュバルツシルトに対し、 銀英伝ではシナリオ毎に決められたマップの中で、艦隊移動から戦闘まですべて同じウインドウ、同じスケールでこなす。
その為にマップ間の移動は鈍間に感じるが、肝心の戦闘は艦隊運動が掴みやすいため自分の思うとおりの戦術を取ることが出来る。
↑緑の三角は艦隊の運動方向。青の三角は通常陣形を表し、大きさは艦隊規模を示唆。
青の線はビームの射程、黄色はミサイルの射程、赤は艦載機の射程を表す。
一つの艦隊ユニットは、大体二千から一万五千隻の艦船で形成されており、艦隊CGは旗艦で象徴されている。
艦隊毎に6種類の陣形を取ることができ、中央突破の場合には凸型陣形、密集した陣形を取っている艦隊には展開陣形をとる事などが出来る。
さらに特殊な攻撃方法が可能になる陣形も有り、例えば高速型陣形ではビームエネルギー充填率200%時に限り、 通常の2倍のエネルギーを消費する「斉射三連」という強力な特殊攻撃を行うことが出来る。
更に陣形は旋回性能、高速性能、防御率、攻撃範囲に多大な影響を与えるので、陣形を征する者は戦闘をも征する事が出来るとも言えるだろう。
偽装艦隊や偵察艦を使用することも出来るし、艦隊疲労度、索敵、速度、防御力に影響する「態勢」コマンド、マップ中にはサルガッソ、宇宙潮流、ブラックホール、機雷原なども存在し非常に奥の深いゲームと成っている。
戦闘も一万隻対一万隻では勝敗が決するまで10ターン以上掛かることも有り、シュバルツシルトとは違い極端な防御率の設定も無いため、戦況に合わせて陣形を変化させながら存分に艦隊戦を堪能することが出来る。
艦隊戦の時にはシリーズで一番凝った3DCGアニメーションを見ることが出来る。
もちろん旗艦毎、使用火器毎の多数のパターンが用意されており、なかなか見飽きることがない(OFF可能)。
これを見ると、あのシュバルツシルトEX+の戦闘アニメーションは全くの詐欺で有ると言える。
また移動、戦闘を両陣営同時に行うというシステムも素晴らしい。
これは戦闘をリアルタイムに行うのではなく、通常命令フェーズでまず移動先、陣形、態勢設定をしておき、終了後両陣営同時に移動。
戦闘フェーズでは使用火器、目標を設定。 改めて艦隊能力の優劣によって攻撃の先行/後攻が決定する。
これは人間同士の対戦の時にも、先行/後攻による有利/不利が無いという優れたシステムだ。
音楽もMIDIを使用した荘厳なBGMが多数用意されており、好みによって曲をかけ替えることも出来る。
AWE64GOLDで4MBGMGSフォントを使用して聞いたが、十分過ぎるほどの素晴らしい品質を堪能出来た。
CD-DA無しでMIDIのみをBGMとして使用するゲームは最近では珍しいが、やはりこれからもMIDI再生能力はサウンドカード選びで重視され続けるだろう。
ちなみにオリジナルフォーマットのデータらしく、単体では読み込むことが出来なかったのは少し残念だ。
パワードールシリーズと言いこれと言い、別に汎用フォーマットにしても罰は当たらないと思うのだが・・・
欠点の多かったシュバルツシルトEX+に対して、銀英伝Vには殆ど欠点が無いようにも思えるが、不満があるとしたらせめてシナリオ毎にナレーションを付けてくれると嬉しかった。
シナリオ開始時も終了後もメッセージが流れるだけで、今時のゲームにしてはお飾りが少ないように感じる。
その点ではシュバルツシルトEX+に見習ってもらいたい。
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Schwarzschild EX+
★☆☆☆☆
工画堂スタジオ
によるWIN95,シミュレーションゲーム。
シュバルツシルトシリーズは98時代からの長い歴史を持っており、SLGでは三国志に並ぶほどの大作と言って良いだろう。
元祖シュバルツシルト1はなんと1988年に発売されており、私は3からプレイしている。
PC版ではシリーズは現時点で全6作、EX+は5作目のEXからのWin95移植版となる。
ストーリーは有ることは有るのだが、余りにもスケールが大きすぎる上にシリーズが歴史順にリリースされているわけではないので、私は把握していない(笑)
ちなみにEX+は、シュヴァルツシルト銀河の辺境を舞台としており、外伝的なストーリとなっている(らしい)。
プレーヤーは小国カールレオンの盟主クライフとしてプレイする事になる。
システムは簡略化されており、自国の経済や政治などには殆ど気を使わなくて良くなっている。
その代わり艦隊戦が今まで簡易だったのが、銀英伝シリーズなどのように艦隊運動を主体としたものに変更されている。
他にも色々変更されているのだが、プレイするとなにやら欠点ばかりが目に付いてしまう。
前作までは要塞を建設する事ができ、それが防衛の要となっていたのだが、今回は敵は要塞を所持しているのにこちらは建設ができなくなっている。
艦隊が居ない場合の防衛は、全て惑星のみで行うしか無くなっている。
おまけに肝心の惑星戦だが手動時の戦闘指示が非常に面倒くさく、星系に含まれる惑星毎に指示を出すのだが一旦指示した敵艦隊を壊滅すると、次の指示を待つウインドウが出るでもなく待機状態に入ってしまう。
そのために一つの敵艦隊が壊滅する度に、全惑星に対し次の指示を行わなくてはいけない。
全体への指示というものも無く、星系に8も9も惑星が有った場合指示に四苦八苦する事になる。
もちろんこれは戦闘システムの問題なので艦隊戦の場合でも同じだ。
手動にしてしまうと、一進一退の大変な場面なのに遊んでいる戦艦が出てしまい、そのために全滅してしまう事も有る始末だ。
この辺りはテストプレイすれば直ぐに解るハズなのに、なぜ改善されなかったのだろうか・・・
さらに艦隊が最大で4艦隊しか持てないのが信じられない。
前作は司令官の数だけ艦隊が持てたのだが、たった4艦隊で広大なマップをカバー仕切るのは些か困難だ。
そのために、防衛の要の要塞を配置できないことがさらに大きな痛手となるのだ。
また今回の目玉システムでもある艦隊戦だが、後ろさえ取れば100%勝ててしまうゲームバランスはいささか疑問だ。
1艦隊で敵4艦隊を壊滅させることすら出来るのだ。
もちろんこれは敵にも言えることで、面倒だからと自動にしてしまうと敵2に味方4が全滅させられることも有る。
上にも言っているとおり、手動モードが扱いにくいので全くもって目玉どころか欠点と言えるシステムになっている(一つの行動が終了したら、次の指示をまた聞いてくるようには出来なかったのか?)。
さらに艦隊戦では全て自分で繰艦する事も出来るのだが、この時に敵味方入り乱れた密集隊形になると、自艦がどこにいてどの方角を向いているか全く解らなくなってしまう。
そのためにいつの間にか背後を取られ、艦隊運動をする間もなく瞬時に全滅する事も頻発する。
あんな小さなウインドウで戦闘するのだから、せめてウインドウサイズを変えれるなり、倍率(拡大)を変更できるなりする事は出来なかったのか?
と言うより、工画堂のテスターはその様に感じなかったのか?
あれで不便を感じない。普通だなんて思うプレーヤーが居るのだろうか(居るかもしれないが・・・)。
さらに今回は外交が全く意味の無いものとなっている。
今回のシステムは、隣接している国と以外は外交出来ないことになっている。
そしてこちらが敵国を攻略し占領すると、その隣国が無条件で宣戦布告してくるのだ。
だからそれ以前に不可侵条約となりを結びたいのに、敵国を占領し相手国と隣接するまで外交が出来ない。
この為に、なんと終盤では5カ国と戦闘状態に入ってしまう始末だ(泣き笑い)
また資金も上限が9999となっている。
そんなバカな・・・ たった9999では終盤などたった1ターンで一杯になってしまう。
また9999全てつぎ込んでも大した数の艦船は造れない。
欠点は、まだある。
星系に艦隊が駐留している場合、誰の第何艦隊が駐留しているのか簡単に調べることが出来ないのだ。
艦隊コマンドで司令官をクリックすると駐留している星系に飛ぶのだが、この場合今どの星系に飛んだのか非常に解りにくい。
この辺りはまるっきり「DOSゲームをそのまま移植しました」と言った感じだ。
それに前作ではそんな不便は感じた覚えが無いのだが? システムが退化したのだろうか。
いったい工画堂は、どうなってしまったのだろうか・・・
少し攻略のアドバイスも。
序盤、皇国解放機構を制圧する時にワザと時間を掛けて見よう。
そのうちにミュスカより高性能な艦隊を補充して貰える。
さらに時間を掛けていると、今度はかなり優秀な司令官を一人使えるようになる。
この司令官は艦隊戦、惑星戦、要塞戦共に優れた技能を持っているので是非手に入れておきたい。
終盤、例の如くクラーリンが出現するのだが、最初は全くこちらは歯が立たない。
とりあえず、接触させれば少しの足止めは出来るのだが、たった4艦隊では防御出来るはずも無く貴重な惑星が次々と異次元化されてしまう(撤退と星系移動で2ターン食らうため、 4艦隊でのローテーションでも随時2艦隊駐留も厳しい。おまけに敵は二手に分かれて進軍してくる)。
惑星が無くなれば資金も生じ無くなるので、非常に苦しい戦いを強いられることになる。
そのために少しでも速く対クラーリン艦を作る必要が有るので、ビノ・グリを落とす前に全ての最新型艦隊の研究を終わらせておくことをお勧めする(最後の戦艦を開発し終わるまで対クラーリン艦は造れない)。
ビノ・グリ主星のみを残したら、あとは防衛に徹し資金を貯め研究に注力しよう。
色々文句を並べてしまったが、決して面白く無かったわけではない。
音楽もMIDI対応の他、荘厳なオーケストラがCD-DAとして収録されているし、おまけのスクリーンセーバーも付いている(つまらなくて使う気がしないが)。
ストーリの合間に有名声優を起用したナレーションも付いているし、戦闘
後
アニメーションもする(「なめんなよ」と言った感じだが)。
ただ3からのファンとしては、余りにも欠点が目立ちすぎた。
EX+をシュバルツシルトシリーズとして初めてプレイする人には、それらのシステムが当然の事と映るだろう。
いわゆる普通のSLGとしては、平均的な出来だろう。
次作が出るかは定かではないが、EX+の二の舞は絶対にして欲しくはないものだ。
どうせなら個人的にベストと思っている3のシステムを、Windowsに最適化して再度採用して欲しい。