PC GAME REVIEW


 FLIGHT

■ WWII Fighters DEMO ★★★★★

 ane's Combat Simulationsによる、Glide、Direct3D対応レシプロフライトシミュレーションゲーム。

 このゲームは第二次世界大戦をテーマにしたレシプロ機フライトシミュレータで、DEMOで使える機体はアメリカ側のP-47と、ドイツ側のFw190です。

 このDEMOでは立ち上げるごとにP-47の対地攻撃ミッションとFw190による空戦ミッションが切り替わるようになっており、それぞれ飛べる時間は6分に制限されています。

 先にリリースされたWWIIものフライトシムにEuropean Air Warが有りますが、WW II FightersはEuropean Air Warよりも若干アーケード寄りの位置付けに感じられます。

 普通レシプロシムですと当然レーダーやロックオンサイトなどは無いのですが、WW II Fightersの場合レーダーの代わりに寮機による詳細な敵機位置報告の無線や、またロックオンした敵機の方向を随時しめす矢印、また親切にもロックオンしたオブジェクトを小さなウインドウでリアルタイムに映し出すシステムが備わっています。

 さらにストールはさすがにレシプロ機だけ有って再現されているものの、ストール状態でのスピンは再現されていません。
これらの難易度を左右するシステムは製品版では自由に選択できるのかもしれませんが、DEMOで飛んだ限りではなかなか一般受けするシステムだと思いました。

 またこのゲームの特徴として、既に十分に美しいグラフィックスだったEuropean Air Warをさらに凌ぐ、素晴らしいグラフィックスが挙げられます。

 この美しいグラフィックスを見てもらうために、通常3枚から4枚しか掲載しないスクリーンショットを大幅に9枚掲載してみました(そのために少し重いTripodにアクセスする事になります)。

 地形グラフィックスも緻密で遠距離からしっかり描画し、同じくJane'sの遠距離からずるずると描画するあのF-15のエンジンとはまったく異なるグラフィックスエンジンのように感じます。
地上オブジェクトも抜かりなく地面には木が生えていますし、なんと鹿まで走っているという話も有ります。

 さらに機体の描画も素晴らしい品質です。
レゾリューションが上がれば、CGフォトグラフとしてそのまま雑誌に掲載できるのでは無いだろうか?と思わせるほどの緻密に機体が表現され、P-47の金属質な翼の質感などは本当に驚くばかりです。
また被弾した箇所がリアルに壊れ、翼がもげた場合に見ることが出来る翼断面までがリアルに造られており、被弾時のキャノピーの汚れやヒビまで表現されています。

 光に関するエフェクトもいままで見たことがないくらい素晴らしく、機銃の発射口にきらめく光や機体への反射光、また大空を幾筋も飛び交う曳光弾。
機体が火を吹いたときも、まさに映画などで見るような実写さながらのリアルな爆炎など、もうため息をつくしかありません。
被弾した時にも、機体と銃弾が擦れ合って飛ぶスパークまで表現されています。

 しかしこのゲームで一番驚いたのは、今までのフライトものが達し得なかった3Dの雲です。
今までのフライトものでは、雲は通過するまでは2Dのグラフィックスで、通過している最中はただ視界がぼやける霧のようにしか表現出来ませんでした。
ところがこのWW II Fightersの場合、まさに目の前に雲塊が浮かび、通過すると視界の遮られ具合もリアルに変化します。
同じように高射砲の炸裂煙も2Dグラフィックスではなく、3Dの質感で表現されています。

 ただしそのために、European Air Warとは比較にならないくらい重くなるのですが・・・

 音響面でも素晴らしいものが有ります。
機銃の炸裂音から、後方から飛来する曳光弾の通過音。
被弾したときの派手な金属音。さらに爆雷を投下したときのリアルな風切り音など全ての音に重さが感じられ、フライトの臨場感を高めています。

 まさに現在最高の質を誇るフライトシムで有ると言えるのではないでしょうか。




Referenced FPCUGM#14